プロダクトマネジメントの基礎を幅広く学びたくて読んだ。中学生がオリジナルアプリを開発、成長させていくというストーリーの中で、プロダクト開発をする中でプロダクトマネジメントの要素をどう取り込んでいくのかというのが例として示されており具体性があってとてもわかりやすかった。
浅く広くという本のため、開発自体の初心者であってもプロダクトマネジメントの全体像を知ることができる。また、アプリ開発は経験があっても、それをどう世の中に売り出してくか、という点について経験がない人にとっても参考になると思う。
プロダクトマネジメントでは、以下のような活動を行う。
- ユーザが抱える問題の仮説を立てる
- プロダクトを完成させ、ユーザに使ってもらう
- ユーザの利用状況を分析する
- エンゲージメントを獲得する
- プロダクトの認知を広げる
- エコノミクスを成立させる
本書を読むことでそれぞれの活動でのポイントを幅広く学ぶことができる。 例えば、以下のような内容がある。
- 最初の仮説検証のタイミングでは、ユーザは欲しい機能を言うことがあるが、ユーザは解決策を考えるプロではないので言う通りに作ってもユーザの要望を叶えることができない場合がある。言われたものを作るだけではなく、なぜその機能が必要なのかユーザのペインとニーズを分析する。
- 素早く仮説検証のサイクルを回すために、最小限の機能でプロダクトをリリースする
- 利用状況分析において、現象、パターン、構造、メンタルモデルに分解する考え方を「氷山モデル」と呼ぶ
個人的には、自分でアプリを作る場合はどうしても自分が使えればいいやと言う考えで、他者にどう見えるかどうしたら使ってもらえるかという視点が持てていなかった。本書で示されているHOOKモデルやPBLの考えを取り込むとより使ってもらえるアプリに出来るんじゃないかと思う。