【書評】 失敗の本質

第二次世界大戦前後の日本軍の失敗を分析し、日本軍の組織の特性を示した本。やや古い本だが、現代の日本の会社組織にも当てはまりとても参考になる。

日本軍の強みは環境が連続的に変化するような状況で帰納的に微調整をし続けることで適合することだった。これは大きなブレークスルーを起こすよりも一つのアイディアを洗練することに適している。高度経済成長期の爆発的な経済成長は日本軍時代の特性が企業に引き継がれていることが影響している。しかし断続的な変化が起こった際には適応が難しい。太平洋戦争では、艦隊中心→航空機中心とゲームの前提がかわったにもかかわらず、その前提の変化に適用できなかったことが日本軍の敗戦を招いている。

日本の電気業界が苦しんでいるが、今までの流れにこだわることをやめ、学習棄却をし新しい環境に適用することが大切なのだと思う。