モラトリアム

この3年間は人生のモラトリアムだったのだろうか?大学院に入学した時はそんな気持ちはなかった。当時は、確かに就職は厳しくなるだろうけど、まずは自分の好きな宇宙・天文の研究を目いっぱいやってそれから将来の判断基準を見つけようと考えていた。
しかし、今考えると、これは自分のキャリアプラン構築という考えたくない現実から、目の前にある面白そうなデータたちに目をそらした結果の思考回路だったのかもしれない。
とりあえずやってみようというスタンスはもともと自分の中にはないもので、それはときにはよいことであると思う。しかし、今は目の前にあるものだけに現実逃避する原因になっているように思えてならない。とりあえずやってみてというのは、本人は一生懸命だから気付いてなかったけど、真剣に自分の現実的な人生を考える機会から逃げいていることになっているのかも。
だから仮に研究者になるとしても、その未来像が全く想像できない自分がいる。研究したいことはあっても将来的な目標や理想の研究者像がない。
未来をイメージすることからの逃避、それは明らかに将来の不安から来ている。この三年間、少なくとも自分の周りではパーマネントの職に付けた人はいなかったように思う。そんな厳しい現実を自分が乗り越えれるのか?リスクを背負った人生を努力が報われるとは限らない人生を歩んでいけるのか?正直な話、俺にはできる気がしない。
だから、将来から目をそらし、今頑張ってるんだからいいじゃないかという妄想にとらわれていた。将来のビジョンがないから、辛くてもためになるようなこと、にも挑戦しようとしない。自分の楽な方に楽な方に流されている。
この3年間はただのモラトリアムだったのか?今、自分は人生の岐路に立っていると思う。
本当にこのままでいいのか?そろそろ夢だけではなく現実的な人生を考える必要があるのではないか?
妥協できるもの、譲れないもの、そこに明確な線を引いて目標に向かって行動しなければ。
少なくともこれまでと同じ生き方では絶対だめだ。