アメリカ、中国、ロシア、日本、それぞれの国での特に宇宙安全保障に関する政策の方向性や、組織構造について説明されている。 各国の宇宙政策の方向性や主要組織の要点は以下。
アメリカ
- 宇宙政策は一貫して、「宇宙におけるリーダーシップの維持」
- 主要組織は、民生分野は米航空宇宙局(NASA)、軍事・安全保障分野は米宇宙軍(USSF)
- NASAの任務は「すべての人々の利益のために宇宙の秘密を探究すること」
- 宇宙軍の任務は「宇宙軍は、統合軍と連合軍の戦いを強化するグローバルな宇宙作戦を実施するためにガーディアンを組織化、訓練、装備の責任を負い、同時に国家目標を達成するための軍事的選択肢を意識決定者に提供する」
中国
- 中国共産党の権力独占を維持することが最優先の目標
- 一部の民生分野や科学研究を除き、ほとんどが軍の統制化にある
- 宇宙を制するものは地球を制するという信念があり、宇宙における覇権の阻止を狙っている
- 主要組織は、中国人民解放軍。特に、戦略支援部隊の役割が大きい。戦略支援部隊は、宇宙、サイバー、電磁波領域の情報を統合する責任を持つ。
- 戦略支援部隊は2024年4月に解体され、情報支援部隊、サイバー空間部隊、軍事宇宙部隊が編成
ロシア
- 自国の宇宙開発を国際舞台においてリーダシップを発揮する貴重な手段であると考えている
- 軍事ドクトリンによると「宇宙は戦闘領域であり、宇宙における覇権を獲得することが将来の紛争に勝利するための決定的な要因になる」
- 衛星や有人宇宙船を破壊できる地上発射の対衛星ミサイルを開発している
- 軍事と民間の宇宙組織はほぼ分離しており、民生分野をロスコスモス、軍事分野をロシア航空宇宙軍(VKS)が主導
