マイクロソフトで働く著者が、同僚との会話や同僚の仕事ぶりから彼らの考え方を、日米の違いも踏まえつつまとめた本。伝統とか商習慣で凝り固まった現状を打破したいエンジニアや、マネージャーが読むべき良書。
日本の考え方と一番違うと感じたのは、品質と納期に対する考え方。日本ではQCDという考えは皆共通のはずで、口では品質品質というが、納期が絶対である。納期のためならばテストを粗くしたり、バグに目を瞑ったりが横行している。計画からの逸脱を異常に嫌うが、本当に大切なのは計画を守ることではなく品質を良くすることのはずである。マイクロソフトでは、自社製品ということもあるだろうが計画は変わりゆくものであり納期はかなり調整しやすいパラメータの一つである。一方で、品質については妥協がなく、品質を高めるために早期の(日本人の嫌いな)失敗をし、フィードバックを歓迎する。
本当に品質を良くするためには自分たちは何をしなければならないのかを考えさせてくれる一冊である。