客観的なデータ収集とそれによる分析結果に基づいて、子育てにおける疑問点に対して効果のある施策や選択について説明されている。効果のないものについても説明があるところが好感度高い。
以前出版された「学力」の経済学では、非認知能力、幼児教育、日本の教育政策の現状と言った、教育において重視するべきキーワードを深掘りしてそれらが子どもの学力にどう影響するかという形で紹介されていた。今作でもそれらのキーワードが登場し同じ内容を取り扱っている面はあるが、切り口が大きく異なっている。例えば、子供にどんな経験をさせるといいのか、どんな学校に行ったらいいのか、といった子育てで直面する疑問点から出発して科学的なエビデンスをもとにそれらの疑問へのヒントを与えてくれる。そのため、子育てで役立つより実践的な内容になっていると感じた。
子育てにおいて客観的な判断基準が欲しい人、特に就学前や小学生の子供がいる家庭では得るものが大きいと思う。