SVO/VOSA

たまには人の役に立つことを。
SVO(Spanish Vertual Observatory)のVOSA(VO Sed Analyzer)を紹介。
フィルター情報やモデルをまとめているだけじゃなく、SEDを書いたり自分のデータに対してモデルフィッティングやHRdiagramを書いたりしてくれる。
SVO http://svo.cab.inta-csic.es/main/index.php
SVO service http://svo.cab.inta-csic.es/theory/docs/index.php?pname=Services&pagecateg=services

SVO Service


今回は左上のVOSAを選択。他は知らない。

VOSA


[星or褐色矮星]か[銀河]かを選択できる。今回は[星or褐色矮星]の方を選択。

Files


ファイルの形式は8列の以下のような形式。

 --------------------------------------------------------
 object   RA   DEC  dis  Av  filter  flux  error 
 ...      ...  ...  ...  ... ...     ...   ...   
 ...      ...  ...  ...  ... ...     ...   ...   

1. 天体名。他の情報が分からない場合はここに正確な名前をいれておくとあとでVOが検索してくれる。
2,3. 座標(degree)
4. 距離(pc)
5. V等級の減光量
6. filterの名前。例えば2MASSのJ-bandだったら2MASS_Jのように。したに一覧表のURLを記す。
http://svo.laeff.inta.es/theory/filters/
7,8. fluxもしくは等級。等級の場合はチェックボックスのmagnitudeにチェックを入れないと認識しない。
今回はQuanz et al. 2010の牡牛座でみつかった惑星質量天体候補CAHA TAU 1の結果を使ってみる。
http://ads.nao.ac.jp/abs/2010ApJ...708..770Q

CAHATau1 069.03750 +24.13922 140 2.3 SDSS_R 23.42 0.41
CAHATau1 069.03750 +24.13922 140 2.3 SDSS_I 21.09 0.08
CAHATau1 069.03750 +24.13922 140 2.3 SDSS_Z 19.34 0.07
CAHATau1 069.03750 +24.13922 140 2.3 Johnson_R 22.89 0.38
CAHATau1 069.03750 +24.13922 140 2.3 Johnson_I 20.00 0.35
CAHATau1 069.03750 +24.13922 140 2.3 2MASS_J  16.92 0.07
CAHATau1 069.03750 +24.13922 140 2.3 2MASS_H  15.77 0.09
CAHATau1 069.03750 +24.13922 140 2.3 2MASS_Ks 15.11 0.09
CAHATau1 069.03750 +24.13922 140 2.3 IRAC_I1 14.62 0.08
CAHATau1 069.03750 +24.13922 140 2.3 IRAC_I2 14.43 0.09

Objects


ここで上のところでちゃんとしたobject名を入れておくと、座標や距離、減光量を調べてくれる。

VO Phot


2MASSやUKIDSS、SDSSなどのカタログから等級を調べてくれる。

SED


記入したデータに基づいてSEDを描く。

Model Fit


DUSTYやCOND、NextGenなどの星のモデルを使ってSEDフィッティングを行う。他にもテンプレートを使ってフィッティングしたりベイズ統計を使ったフィッティングもある。

Model Fit result


途中パラメーター範囲を指定しやるとプログラムが走り出す。上はその結果。Quanz+2010ではこの天体は有効温度Teff2080+/-140K、光度はlog(L/Lsun)=-3.1+/-0.1。VOSAの結果では有効温度Teff=2100K、光度はあとで分かるがlog(L/Lsun)=3.08だったので今回は結構ちゃんとあってるっぽい。

HR Diagram


Quanz+2010では年齢を1/3/5Myrと仮定すると質量は7/10/12木星質量となっている。VOSAの中でHR diagramにのせると2.4Myrで10.4木星質量と最終結果もなかなかよい結果を返すことが分かる。
以上、さらに詳しい使い方はDocumentを見ていただきたい。
http://svo.laeff.inta.es/theory/docs/index.php?pname=VOSA/Documentation